私が高校生のとき、女子の保健体育の時間に女性教諭は私たちにこう告げた。
「みなさん、もし30歳になっても結婚できなかったら、合言葉は『渡米』よ!」
そして、30歳になっても結婚できなかった私は、先生の言葉通り渡米することを決意した(うそです!本当にちゃんと勉強のために来ました。)
ということで、今日は、日本人女性がモテるかモテないかという、どうでもいいようで、実は意外と興味のあるかもしれない話題を書いてみたいと思います(笑)。
結論としては、やはり「YES」/「No」のいずれも正しいのだと思われる(元も子もありませんが。。。)
まず、「No」の理由としては、「勘違い説」である。
これは、日本人の男性は、一般論として、さほど女性に対する褒め言葉を口にしないのに対して、こちらの男性は積極的に口に出すので、日本人女性が「日本にいたときよりモテる」と勘違いをするという説である。
たとえば、別にデートでもなんでもなく、友人数人でレストランに行ったとしよう。お店の人がとても親切だったときに、「あそこのマダムはとても感じがよかったわね」と一緒に行った男友達に言ったとする。そういうときに、
「君がかわいいからだろうね」
と いう日本人男性ってどうだろう。決していないとは言わないし、確かに一定数いると思う。けれど、確実に「言葉が浮く」であろうと思われる。その場面を想像してみると、「俺はこういうことも言えちゃうタイプなんだ」という男性の自我と、「え、ちょっと待って、私、どんな顔して何て返せばいいのよ」という女性 の躊躇によって、必ずその言葉だけが浮いてしまい、ぎこちない空気が流れるのである。文化になじまない言葉は、男性側も使用しなくなり、女性側も期待しな くなる。
それに対して、こちらの文化圏ではこういうやりとりは比較的カジュアルで、「普通のこと」のようである。
南米人に至っては、「そのレストラン行ってみたかったの!私も一緒に行ってもいい?」という質問に、
「もちろん!このクラスで一番かわいい子を断るはずがないじゃないか」
って返事が返ってくるかもしれない。でも、それって、日本人男性の
「いいよ」
と、ほとんど同じテンションの可能性すらあるわけである。
文化によって、テンションには大きな差があり(一般論としては、南米>アメリカ>ヨーロッパ>日本だと思われる。)、日本人は世界的にはかなりローキーな文化圏である。この文化の違いが、日本人女性の「なんか、私、渡米したら、急にすっごく褒められるんだけど」という感覚を生み、勘違いにつながっている可能性は否定できない。
次に、「Yes」の理由としては、「ステレオタイプ説」である。
これは、日本人女性に対する強固なステレオタイプがいまだにあり、それが海外の一定層の男性を惹きつけているという説である。
こちらに来てわかったのは、日本人女性は「従順」であるというステレオタイプが、いまだに非常に強く残っているということである。日本人女性は男性の三歩後ろを歩いているに違いない、その象徴的な光景に幻想を抱いているアメリカ人男性は、驚くほど多いのである。
加えて、今は「カワイイ」というステレオタイプもついてくる(日本文化の「カワイイ」は世界的に有名なようで、この間すれ違った女性がキティちゃんが大きく描かれたトレーナーを着ていて驚きました、、、)。
実際に、性別による役割分担やヒエラルキーについていえば、日本は、先進国の中でも相当強く残っていると実感している。したがって、この日本人女性が「従順」というのは、決してアメリカ人男性の単なる幻想ではない。
さらに、その幻想を助長するものがある。それが、日本人女性の話す英語(あるいは、話すことができない、というべきか。。)である。自分が置かれている状況を正確に理解し、それが正当なものであるかを判断し、不当と感じた場合には理由を示して抗議する、これは非常に高度な言語能力を要する。結果として、英語に慣れていない日本人女性は、日本にいた時よりもさらにあいまいな笑顔を浮かべて、あいまいにうなづき、争うことをあきらめやすくなるのである。
付け加えて言うなら、日本人女性のアクセントは非常に「スウィート」らしい。
この日本人女性の状況が、アメリカ人男性の幻想の中のステレオタイプと一致して魅力的に映っているという可能性がある。この場合に注意しなくてはいけないのは、日本人女性に幻想を抱くのは、往々にしてアメリカ文化圏において「自信のない男性」である、という点である。「従順さ」と「カワイさ」を女性に求めるのは、やはりなんというか、自分に自信が持てなくて、女性から称賛されることによって、その欠落部分を満たしたいという願望の表れである、と思われるのである(このタイプの場合には、過去のガールフレンドにアジア人女性が含まれている可能性が高い。)。
ということで、日本人女性はモテるかという、決して高尚とは言えない話題に付き合っていただき、ありがとうございました!
個人差が多く含まれる問題を、文化圏別に語るという愚かさは承知の上ですが、一般論としてお赦しいただければと。
写真はこじつけですが、日本人女性ということで、ボストンに遊びに来てくれた妹との一枚を。