本格的に授業がはじまって、とっても忙しくなってきました。正直、想像した以上に忙しいです。というのも、皆さんもご存じの通り、日本の大学では「復習」が重要なのに対して、アメリカの大学では「予習」が重視されるため。日本の大学では、「今日は何の話をするんだろうな?」っていう白紙状態で授業に参加していましたが、こちらではそれは許されません。

 

ひとつのレクチャーにつき、100頁とかときには1冊の本が宿題になっていて、それを読む必要があります。しかも、「アカデミック・ライティング」というのはとても難しい。動詞のチョイスとかがいちいち「洗練」されてて、日常会話では使わない動詞ばかり。。。ということで、何回も辞書をひかないといけなくて。。。

口語では、シンプルな表現がよしとされる風潮があるのに、文語になったとたんにこの「落差」。日本語でも同じことではありますが、英語の方が「落差」が大きい気がしています。

ということで、今日は、ロースクールの基本的な仕組みを書いていきたいと思います。


まずは、JDLLM。私が所属しているLLMプログラムは、1年制でインターナショナルな学生のためのプログラム。アメリカ人は基本的にはいません。アメリカ人で弁護士になりたい学生がいくのがJDプログラム。こちらは3年制。「アメリカ人」と書きましたが、国籍の限定があるわけではなくて、インターナショナルな学生もいます。北京大学を卒業したばかりの学生が今年は30人くらい。東京大学からは、私は知る限り1人。


JDの学生たちは、1年生が「1L」、2年生が「2L」、3年生が「3L」と呼ばれます。


1L」の学生たちは、80人くらいずつの「セクション」に分類され(「クラス」みたいなもの?)、基本法のクラスに出席します。就職の際には、この「1L」の成績が最も重要らしくて、「1L」のクラスは若干ぴりぴりした雰囲気。でも、基本的には、みんな「優等生」って感じで「空気を読まない」発言とかはあまりありません。


1L」の学生たちは、その後、「ジョブ・インタビュー」を受けて、だいたい2Lまたは3Lの夏に、弁護士事務所で「サマー・インターン」をする。この「サマー・インターン」というのは、この期間のアウトプットで就職させるか決める試験というようなものではなく、「就職内定」とほぼ同義のよう。2Lの学生の言葉によれば「マネージング・パートナー(法律事務所のトップ)の顔にシャンパンでもかけない限り、だいじょうぶ♪」とのこと。


それで、2Lの学生たちは比較的リラックスして飲み歩く。「1Lは勉強し、2Lは遊び、3Lはもはや何をする気力もない」と言われています。


アメリカの学生は授業中でもかなり自由に発言するんだろうという印象があったものの、1Lの学生はかなりクラスメイトの目を気にして、「空気を読む」のでびっくり。将来、大統領候補とかになったときに、「彼(彼女)、学生時代、どうでした?」みたいな感じで、クラスメイトが取材されたりするからだって理由を説明する人もいます。それに対して、逆に奔放なのはLLMの学生達。


「最大3枚のレポートと指定されて、5枚のレポートを書くのと、3枚のレポートを書くのと、どちらが評価されるでしょうか?」と質問して、「最大3枚といってるのだから、それを超えないでください。枚数ではなくて内容で評価されます」という冷たい答えを受けても、全く動じたふうがない。


授業中に、「私の国では(In my jurisdiction)…」と長々と自分の国の法制度について、発言をして、「ね、これ、アゼルバイジャン憲法とかじゃなくて、『アメリカ法入門』のクラスなんだけど…」という冷たい視線を受け、陰で「In my jurisdiction」というあだ名をつけられても、全く動じたふうがない(あだ名には気づいていないだけではあるのでしょうが…)。


LLMには「キャラが濃い」学生が多いので、いつかその話もこのブログでできたらいいなと思います。


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